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アルコールニス
- 2016/07/05
- 19:32
ここ5年くらいヴァイオリン作りではオイルニスを使っています。
※オイルニス・・・オイル(リンシードオイル等)と樹脂(松脂等)を混ぜ合わせたものを楽器に塗り、紫外線で酸化重合させる。
混合前のオイル、樹脂の下処理が非常に危険で面倒ですが、自分の作りたい楽器にはオイルニスが合っているのでこちらを使っています。
レシピは友人と共同研究したものですが、まだまだ実験したいことは山ほどあります。
オイルニスについてはまた次の機会に紹介するとして、先日工房で修理に使うアルコールニスを作ったのでその様子を紹介します。
※アルコールニス・・・アルコールに樹脂(シェラック等)を溶かして塗布。レシピも重要ですが、それ以上に刷毛のテクニックが出来栄えを大きく左右させます。
アルコールニスの主成分となるのがこちら。

シェラック(伊:Gommalacca)です。ラックカイガラムシという虫の産卵時の副産物です。
ニスの材料としてヴァイオリン以外の分野でも広く知られています。管楽器の分野では接着剤としても使用され、食品業界ではチョコレートの表面加工に使われることもあるそうです。
樹脂、色素、蝋の成分を含み、その比率を様々な処理で変化させることで、ニスの性質も変化します。
基本的にシェラックだけでニスはできますが、さらに光沢を出すために「ベンゾエ」、量感を持たせるために「マスティック」等、出したい効果に合わせて様々な樹脂を加えます。
しかし、加える樹脂が増えるほど後々問題が起きる可能性も増します。
アルコールニスはなるべくシンプルにつくることがポイント。
さて、レシピを決めたら砕いてきましょう。

ぶっちゃけ電動コーヒーミルであっという間にできますが、今回はそれぞれの樹脂の硬さを感じてもらうためにお弟子さんの手作業。
砕いたら分量を量りアルコールに溶かします。
熱を加えると早く溶けますが、アルコールが気化すると何かと厄介なので我慢。待ちます。
溶けきったら濾します。

ストッキングで粗濾しした後、コーヒーフィルターで更に細かく。

完成。
ちなみにこのニスはフレンチポリッシュという技法に使用します。
樹脂は全て天然由来なので毎回同じものは作れません。
生産地、販売業者、不純物の含有量等、気をつけることはたくさんあります。
今回のニスも使いながら微調整を加えていきます。
posted by 藤井大樹
※オイルニス・・・オイル(リンシードオイル等)と樹脂(松脂等)を混ぜ合わせたものを楽器に塗り、紫外線で酸化重合させる。
混合前のオイル、樹脂の下処理が非常に危険で面倒ですが、自分の作りたい楽器にはオイルニスが合っているのでこちらを使っています。
レシピは友人と共同研究したものですが、まだまだ実験したいことは山ほどあります。
オイルニスについてはまた次の機会に紹介するとして、先日工房で修理に使うアルコールニスを作ったのでその様子を紹介します。
※アルコールニス・・・アルコールに樹脂(シェラック等)を溶かして塗布。レシピも重要ですが、それ以上に刷毛のテクニックが出来栄えを大きく左右させます。
アルコールニスの主成分となるのがこちら。
シェラック(伊:Gommalacca)です。ラックカイガラムシという虫の産卵時の副産物です。
ニスの材料としてヴァイオリン以外の分野でも広く知られています。管楽器の分野では接着剤としても使用され、食品業界ではチョコレートの表面加工に使われることもあるそうです。
樹脂、色素、蝋の成分を含み、その比率を様々な処理で変化させることで、ニスの性質も変化します。
基本的にシェラックだけでニスはできますが、さらに光沢を出すために「ベンゾエ」、量感を持たせるために「マスティック」等、出したい効果に合わせて様々な樹脂を加えます。
しかし、加える樹脂が増えるほど後々問題が起きる可能性も増します。
アルコールニスはなるべくシンプルにつくることがポイント。
さて、レシピを決めたら砕いてきましょう。
ぶっちゃけ電動コーヒーミルであっという間にできますが、今回はそれぞれの樹脂の硬さを感じてもらうためにお弟子さんの手作業。
砕いたら分量を量りアルコールに溶かします。
熱を加えると早く溶けますが、アルコールが気化すると何かと厄介なので我慢。待ちます。
溶けきったら濾します。
ストッキングで粗濾しした後、コーヒーフィルターで更に細かく。
完成。
ちなみにこのニスはフレンチポリッシュという技法に使用します。
樹脂は全て天然由来なので毎回同じものは作れません。
生産地、販売業者、不純物の含有量等、気をつけることはたくさんあります。
今回のニスも使いながら微調整を加えていきます。
posted by 藤井大樹
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